多読図書案内

おもに英語多読向けの図書(Graded Readers, Leveled Readers,その他洋書)の紹介をしていきます。

多読について

「英語ができるようになりたい」という時にどんなことがイメージされているのでしょう?
おそらく「英語が…」と言う人の頭の中にあるのは「英会話」なのだと思います。

 

が、頭の引き出しの中に英語が入っていなければ会話のしようがありません。インプット(聞いたり・読んだり)がなければアウトプット(話したり・書いたり)はできません。英語にかぎったことではありませんが、語学力を伸ばすには、基本的な文法や語彙を身につけ、それをもとにインプットを増やすことが大切です。

 

で、大切なインプットを増やすのによいのが多読(リスニングの場合は多聴)です。

 

英語教師としての私が念頭においているのはSSS (Start with Simple Stories)式の多読。「辞書は引かない、分からないところは飛ばす、つまらなかったらやめる」という三原則を謳うものです。この方式で、日本語でやるのと同じような感覚で読める(=いちいち辞書を引いたりしなくても分かる)ものをどんどん読んでいきます。多読を推奨する人の間でもおそらく意見が分かれるのは文法の扱いかと思いますが、私は文法学習を否定していません。物心がついてしまっている人が、母語だけで生活できてしまう環境で語学をやるとなったら、基本的な文法を知っている方が効率がよいと思うのです。

 

最大のポイントは、日本語でやるのと同じような感覚でサクサク読めるレベルの図書を選ぶことだと思います。「サクサク」という感覚で読むには、帯などについている「TOEICスコア○○○レベル」という表示はあてにせずに、自分が思っている(思いたい)レベルより2段くらい下から始めるのがよいでしょう。それから、「読み始めたからには最後まで読まなければ!」という意識をなくすことも大切。「多読三原則」の画期的なところって「つまらなかったらやめる」という3点目なのではないかと、個人的には思います。

 

 

英語多読法 (小学館101新書)

英語多読法 (小学館101新書)

 

 

英語多読の進め方については、この本がコンパクトにまとまっていておすすめです。